何故か急に降ってきたお題。

自分の中では13代がBSRに出てくるわけがないと思っていたので、妙な昂揚感が湧き上がってきておりますw
でも、池田さんの声が少し高くなってきているのはしょうがないのか・・・あああ

さてさて、今回はその13代と松永さん、魔王さまの暴れん坊トリオで妄想です。
4が出てからこれを読むと、ギャップがありすぎて倒れる恐れがあるけど・・・いいや!
取り敢えず情熱の向くままにw
ではどうぞ~

三者三悪

 

 

生まれながらの将軍、と呼ばれながらも武将の様な気勢を持つ男が独り居た。

己が飾り物という存在のまま生きる事を良しとせず、天政奉還と呼ばれる大きな決断を下した人物でもある。

「惰性のまま、生きる事を余は望まない」

玉座に座り、頬杖をつき、微笑しながら足利の13代将軍は語り始めた。

「ヒトが人として生きるには、熱が必要だと・・・君もそう思わないかね?」

足利義輝が語りかけた人物は、冷ややかな笑いを返答とする。

「大義を語っているつもりか?下らぬ」

「では何故、君は天下布武を掲げて奔る?争い、磨き合う熱を求めているからではないのかね」

「阿呆。俺の天下を作るために邪魔なモノを排除している、争うのはそれだけの理由よ」

銀の甲冑を揺らし、低く笑う織田信長を、義輝は黙って眺めている。

「流れ公方の暇潰しに付き合う俺ではない。さっさと其処を退け」

刀の切っ先を義輝に向けて邪魔そうに言い放った信長へ、将軍は余裕の笑みを見せた。

「ここは余の玉座。君が座りたいと言うならば、余を斬り伏せて乗り越えなければ」

傍に置かれていた巨大な杓に手を掛けると、彼はゆっくりと立ち上がる。

「さあ、見せてくれ。君の生きる熱を」

「貴様にくれてやるモノも、見せるモノも無いわ。時代遅れはさっさと黄泉へ堕ちよ」

義輝が杓を構えた様子を眺め、信長は凶暴な笑みを見せて銃を構えた。

 

幾度目かの鍔迫り合いに勝ったのは、13代将軍である。

杓の強い弾き返しに信長は押し返され、隙を狙って繰り出された相手の一撃を散弾銃で撃ち返した。

くすりと将軍が余裕の笑い声を漏らす。

「成程、これが世を騒がせる第六天魔王の力か。楽しませてくれる」

臆することも無い相手の感想に、信長は腹立たしげに舌打ちをしながら姿勢を整えたとき。

「随分と楽しげではないかね」

凛、と低音の声が奥から響いた。

それは、信長も義輝も知っている人物の声。

「公方殿、暇潰しを楽しまれているようで」

含み笑いをしながら語りかけられた義輝は、先程の余裕のある笑みを消して、声のする闇をねめつけた。

「ここは、お前の様な者は入れぬ所。出て行け」

「なんと異な事を。卿のあらわした天政奉還とは、身分性別年齢、全て関係なく行われるものだと伺ってきたのだけれど」

闇から蝋燭の炎に照らされて、すうと浮かび上がるように現れた男は、後ろ手のまま意外そうな声を出して首を傾げる。

「信長公も気付いているだろう?この13代殿の矛盾を」

「・・・松永か。そのような事、貴様に言われずとも」

突然の松永久秀の乱入によって気を削がれた信長はつまらなそうに言葉を返した。

一方の義輝は、現れた梟雄を強く睨みつけて殺気を漲らせている。

「よくも此処まで土足で入って来られたな?この梟め」

相手の殺気など素知らぬ風に、松永は室内を見渡す。

「なに、従順なる卿の門番たちは大人しく焼かれていったよ。雅風情が抜けぬと見える」

「どこの武家の生まれでもないお前が、三好に取り入り階位を強請り取り、挙句は己の力の一部にした。それを下剋上、などと持て囃す風潮が好かなかったのよ。余の示した天政奉還とは、お前の様な男を死なせるための建前ぞ」

高らかに己を侮蔑する義輝の言葉など意味が無いと言ったように、松永は顎髭を撫でながら彼を嘲笑した。

「力無き者、弱きものは搾取され、利用されるのが世の鉄則。卿や三好はその弱者だったというだけの話ではないか。私だけに憎悪を向ければ、その仕組みが無くなるとでも思っているのかね?」

「その仕組みの中でもお前は異質なモノよ、三好にはそれが見抜けなかった。長慶のような哀れな男を、余はこれ以上望まぬ」

一人の武将の名前を耳にした松永の笑いが消える。

「・・・哀れ、だって?」

杓を片手に、義輝は松永を冷たく見据えた。

「あれを哀れと言わずに何と言う。奸臣に都合よく育てられ、思想を刷り込まれ、三好の名を好きに使われた挙句に捨てられ、死んだ人間を」

「憶測でモノを言うのは止めて貰おうか、13代」

低い声が将軍の言葉を遮る。

「噂話を本気にして、彼を私に操られた愚鈍と言い切るのであれば、その愚鈍に頼り、流れ公方から脱することのできた卿は愚鈍以下だな」

「ならば三好の兄弟は、何故お前の下にいる。お前が三好家を盛り立てるどころか牛耳り、没落させた結果ではないか」

元の主家の話をしつこく穿り返された松永の目に、次第に凶悪な光が宿り始めた。

「卿はどこまでも私を悪人にしたいと見える。真を教えて貰えぬままの足利は、やはり時代に乗れぬか?公よ」

傍らで梟雄に問われた信長は、銃を構えて嗚呼と素っ気なく返事をする。

「是非も無し。宮中の盤上のみで世を動かせると思っている輩など要らぬわ」

「ふふ、珍しく気が合った」

すう、と松永は半眼になり宝刀を義輝へと向けた。

13代。卿の屍は私が丁重に灰にして差し上げよう」

梟雄からの冷たい殺気を、義輝は杓を構えて鷹揚に受け止める。

「長慶と同じようには行かぬぞ?松永久秀」

むかしの主の名を再度口にされた松永は、じわりと暗い笑いを口元に浮かべて宝刀を鳴らした。

「彼の真実は、向こう側で本人からじっくり聞くと良い。そしてつまらぬ戯言で私を憤らせたことを、彼岸の淵で嘆いていたまえ」

松永の口から語られなかったむかしの話の断片を聞いた信長が、にやりと笑いながら彼の傍らに並ぶ。

「俺も余興に入ってやるわ。弾正、感謝しろ」

そんな信長をちらと眺めて、松永はしょうがないと言うように小首を傾げて、有難うと呟いた。

「小物が二匹で余に向かうか、面白い」

「その小物に、卿の命が尽きるまで遊んでくれ。なに、退屈はさせないから」

口元に残忍な微笑を湛えながら、松永は義輝へ向かって奔り出す。

信長もそれに合わせて奔り出し、迎える足利義輝は意に沿わぬ男たちを排除すべく、杓を大きく振りかぶった。

 

 

(終わり)

 

BSR4に向けての思いっ切りフライングな作文でした。

もう何か、久秀参戦とかまだ発表もされていないのに自分の中で盛り上がり過ぎてwww

やっぱり将軍という立場の人が考える乱世とかって、どこかで綺麗事が混じった理想があると思うんですよね。

それを、信長や久秀が見て聞いて、現実を知らない愚かモノだなーってせせら笑っていそうだと。

義輝様と久秀様は、完全に水と油な関係だと勝手に想像しているから、ここでは仲が悪いですw